スポット清算人の活用

スポット清算人総説

清算中の会社

清算手続き中の株式会社(以下、「清算株式会社」という。)においては清算人が会社を代表する(会社法483条1項)。

したがって、清算株式会社の財産を処分する場合は清算人と契約する。

清算人不在

清算株式会社において、清算人が不在の場合は株主総会で清算人を選任する必要がある。

しかし、清算株式会社の株主も不在のときは清算人を選任することができない。

問題の所在

清算人と、清算株式会社の株主が不在の場合は裁判所で清算人の選任申立てをしなければならない(会社法478条2項)。

ここで、裁判所選任の清算人に清算株式会社の清算業務全てを任せると、下記の理由から裁判所の清算人の選任が現実的でなくなる。

  • 清算人の負担が過大になる。
  • 清算人の負担が過大になれば、清算人の報酬が増える。
  • 清算人の報酬が増えれば、裁判所への予納金が多額になる。

スポット清算人

前述の問題を解決するために、裁判所実務では、特定の清算業務のみを目的とする清算人(スポット清算人)の選任を認めている。

すなわち、清算人の選任申立て段階で特定の清算業務をの必要性を疎明し、その業務範囲のみで清算業務を行うのがスポット清算人である。

特定の清算業務が終われば、スポット清算人の申立てにより、その選任は取り消される。

参照条文

会社法第478条

① 次に掲げる者は、清算株式会社の清算人となる。
一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。)
二 定款で定める者
三 株主総会の決議によって選任された者
② 前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。

MEMO
スポット清算人の業務は限定される。

スポット清算人の選任

流れ

手順1
申立て
管轄裁判所にスポット清算人選任申立てをする。
手順2
清算開始
選任決定書が発行されるので、それを使用して清算業務をする。清算人の印鑑証明書等が必要であれば清算人就任の登記をする。
手順3
清算終了
清算業務を終えたら、管轄裁判所に選任取消しの申立てをする。
手順4
選任取消決定
管轄裁判所が選任取消決定をする。清算人の登記がある場合は裁判所が嘱託登記をする。
 

必要書類

事案
  • 解散した会社の債権者からの依頼。
  • 解散した会社名義の不動産の任意売却を希望。
  • 株主の相続人は全員相続放棄済。
  • 清算人は全員死亡。
  • 解散した会社の商業登記事項証明書
  • 役員の不在証明(除籍謄本など)
  • 任意売却する不動産登記事項証明書
  • 不動産の買付証明書
  • 不動産の取引価格を証する書類

清算人就任の登記

登記の事由 清算人の選任(就任)
登録免許税 金6,000円
添付書類 選任決定書、委任状
登記すべき事項 「役員に関する事項」
「資格」清算人
「住所」〇〇
「氏名」△△
「原因年月日」年月日就任
MEMO
スポット清算人退任の登記は裁判所の嘱託でされる。
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