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ドットプリンターの導入

ドットプリンターの概要

正式名称はドットインパクトプリンター。

複写式の書類に印字するための機械ですが、司法書士実務ではよく使われます。

MEMO
イメージはタイプライターの進化版。

ドットプリンターの設置は業務をする上で必須ではありません。

しかし、抵当権設定登記の受託が増えると必要になります。

ドットプリンターの用途

抵当権設定契約証書

ドットプリンタを導入する主たる目的はこれです。

抵当権設定の登記依頼の場合、金融機関から登記原因証明情報である抵当権設定契約証書(以下、設定証書)を受け取ります。

MEMO
抵当権設定登記をする場合の登記原因証明情報は金融機関所定のフォーマット。

設定証書には当然抵当不動産の情報(土地であれば、所在・地番・地目・地積、建物であれば、所在・家屋番号・種類・構造・床面積)が記入しますが、金融機関から設定証書を受領したときにそれらが記載されていないことがあります。

というのも、金融機関がお客さんに記入してもらう設定証書は、金融機関の定型のフォーマットですが、そのフォーマット中の、お客さん毎に内容が異なる箇所(利息、抵当不動産の内容等)は空欄だからです。

設定証書中の抵当不動産の情報(以下、「物件情報」という。)が記載されていなければ、司法書士が記入します。

物件情報は、本来であればお客さんか金融機関が記載すべき事項ですが、それを言い出すと実務は回りません。

設定証書は、抵当権設定者(以下、設定者)が署名・押印するものです。

設定証書の押印は、不動産登記法上認印でも構いませんが、実務では金融機関が実印を要求しています。

すなわち、設定証書に誤字脱字があった場合は設定者の実印で訂正しなければなりません。

注意
設定証書は簡単に訂正できない。

設定証書の物件情報の記入方法は下記の通りです。

  • 手書き
  • 印刷機(複合機)で印刷
  • ドットプリンタで打ち込む

手書きの短所
  • 書き損じの可能性が高い。
  • 時間と手間がかかる。
  • 字がきれいでないと見栄えが悪い。

印刷機の短所
  • 機械の中に取り込むのは危険。
  • 設定証書に印刷する毎に印刷設定をするのが煩雑。
  • 印刷機を複数人で使用している場合の管理が煩雑。

【ドットプリンタの利用手順】

手順1
情報の入力
ワード等に不動産情報を入力。業務ソフトと併用すれば業務効率が上がります。
手順3
ためし印字
下書き用の紙にドットプリンタで印字する。
手順3
内容チェック
印字された不動産情報を確認する。
手順4
本番印字
記入ミスがないのを確認し、設定証書に印字する。
 

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封筒の宛名

封筒の宛名を印刷するときに使います。

印刷機や宛名ラベルを使用すればドットプリンターは不要です。

これはあくまで付随的な使い方です。

自分の事務所や得意先の宛名は宛名ラベルを使いますが、それ以外はドットプリンタを使用するとよいでしょう。

また、事務員が多い事務所は印刷機に封筒をセットするのが煩雑である場合があるので、その場合はドットプリンタが有用です。

登記識別情報の表紙

登記識別情報を納品する場合の、表紙の印刷で使う。

但し、印刷機ほどきれいに印字できません。

ドットプリンターのメーカー

使う機能は印字のみなので、どのメーカーでもよいと思います。

ただし、メーカーによっては印字を開始すると警告音が流れるものがあります。

この警告音が地味にうるさいので、困ります。

しかし、警告音がないと他人が印字を開始していても気づきません。

メーカーを選ぶ決め手は、価格になります。

ドットプリンタは大体20~30万円します。

設定証書に印字するためだけに導入するのは少しためらう金額です。

ドットプリンタを使用したことがなければ必要性を感じませんが、使いこなすとなくてはならない存在になります。

また、設定証書の記載に補助者を雇うのであれば、ドットプリンタを導入した方が安く済むのは間違いありません。

ドットプリンターと業務支援ソフト

業務支援ソフトと併用すればドットプリンタの有用性は格段に高まります。

ドットプリンタの利用手順は前述の通りですが、ソフトと併用の場合は手順1が楽にできます。

物件情報の入力方法はソフトで取り込んだ登記情報をコピペするだけです。 

業務支援ソフトについては下記を参照。

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