司法書士業務とドットインパクトプリンター

ドットインパクトプリンター

ドットインパクトプリンターとはインクリボンにピンを打ち付けて文字を印刷するプリンターである。

ドットインパクトプリンターはピンを打ち付けてプリントするので、複写することができる。主な用途は複写用紙への印刷である。

司法書士業務とは無縁と思えるドットインパクトプリンターだが、実務では重宝する。

ここでは司法書士業務での活用事例を紹介する。

抵当権設定契約証書

抵当権設定登記の依頼

抵当権設定登記の依頼があった場合、基本的に金融機関と書類をやりとりする。そして、この登記の登記原因証明情報たる抵当権設定契約証書は金融機関所定のものである。

そして、金融機関実務においては抵当権設定契約証書は穴埋め式になっている。すなわち、次の情報を穴埋めする。

  1. 日付
  2. 債務者兼抵当権設定者の住所氏名
  3. 抵当権の債権額・利息
  4. 不動産の表示

1ないし3の情報は債務者兼抵当権設定者が自筆する。

これに対し、4の不動産の表示は司法書士が記入することが多い。

抵当権設定契約証書の不動産の表示

不動産の表示は不動産の登記事項証明書のとおりに記入するが、意外と骨が折れる作業である。

そこで、ドットインパクトプリンターを用いて不動産の表示を記入する。

ここで、印刷機を用いればよいと考えるかもしれないが、この方法はとることはできない。

なぜなら、抵当権設定契約書の不動産の表示の記入時には既に債務者兼抵当権設定者が署名し、実印を押印しているから、不動産の表示の記入にはミスが許されないからである。印刷機を用いると抵当権設定契約証書を印刷機に取り込む作業がいるが、この作業はリスクが大きすぎる。

そこで、手書きすればよいということになる。案件が少ない場合には手書きでもよいだろう。しかし、不動産の数が多かったり、敷地権付区分建物を記入したりする場合は手書きだとかなりの労力を有する。

また、抵当権設定契約証書は登記完了後に金融機関に返却するので字が汚いとばつが悪い。

ドットインパクトプリンターと業務支援ソフト

ドットインパクトプリンターは業務支援ソフトを併用すると業務効率が各段に上がる。

なぜなら、業務支援ソフトで抵当権設定契約証書に打ち込む不動産の情報を登記情報から読み込むことができるからだ。

手順は次のとおり。

手順1
不動産の登記情報を取得し、業務支援ソフトに取り込む。
手順2
業務支援ソフトに取り込んだ不動産の情報をワードにコピペする。
手順3
不動産情報をコピペしたワードをドットインパクトプリンターで試し印字する。
手順4
試し印字が終わったら、抵当権設定契約証書に本印字する
 

司法書士の業務支援ソフト導入司法書士の業務支援ソフト導入

宛名印字

ドットインパクトプリンターは封筒の宛名印字にも役立つ。頻繁に郵送する相手であれば宛名ラベルを使用するが、数回程度しかやりとりのない相手であればドットインパクトプリンターで印字すると地味に便利である。

また、戸籍の郵送請求の際の市町村の宛名印字にも便利である。

OKI沖電気工業 ドットインパクトプリンタ