建売の住宅用家屋証明書総説
定義
このページにおける定義は下記の通り。
工務店:請負契約によって建物を建築する業者(請負人)又は建物を建築して販売する業者(販売会社)
購入者:請負契約によって建物を建築してもらう人又は建築済みの建物を購入する人
新築:請負契約によって建築された建物(=注文住宅)
建売:工務店が販売目的で建築した建物(=建売住宅)
建売の住宅用家屋証明書取得要件
- 個人が自己の居住の用に供する家屋(セカンドハウスは対象外)
- 取得後1年以内の登記
- 取得の原因が「売買」又は「競落」
- 当該家屋の床面積が、登記簿上50平方メートル以上
- 建築後、使用されたことがない
- 事務所・店舗等との併用住宅の場合は、居住の用に供する部分の床面積が90パーセント以上
- 区分建物の場合は、建築基準法上の耐火建築物、準耐火建築物、又は低層集合住宅
建物表題登記
建売の場合は工務店が新築し、購入者に売り渡す。
したがって、建売の建物表題登記(以下、「表題」)は、本来は下記になる。
- 工務店名義で表題。
- 工務店を所有権登記名義人とする所有権保存登記。
- 工務店→買主へ所有権移転登記(売買)。
しかし、工務店は不動産取得税や登録免許税を支払いたくないので実務上は下記になる。
- 購入者名義で表題登記。
- 購入者を所有権登記名義人とする所有権保存登記。
※この場合、表題の添付書類に、原始取得者(工務店)から特定承継者(購入者)へ所有権が譲渡された旨の証明書がある。
建売の住宅用家屋証明書の必要書類
住宅用家屋証明書発行申請書
申請書には「年月日取得」と記入。
日付は買主が工務店から建物を取得した日である。
⇒表題登記の添付書類の譲渡証明書に記載があり。
⇒譲渡年月日につき、司法書士と工務店が打ち合わせすることはない。
登記情報
建物の登記情報。
床面積要件を確認するために添付する。
但し、表題登記完了証でもよい市町村がある。
確認済証・検査済証
新築の場合は床面積や居住用であるか等を確認するために添付する(故に新築の場合は建物の登記情報を添付すれば不要)。
建売の場合はそれらに加えて、原始取得者を確認するために必要だと考えられる。
建物譲渡証明書
建物が工務店から購入者へ譲渡(売渡)された事実及びその日付を証明する書類。
表題の際の添付書類なので、表題が完了したら調査士から預かるとよい。
家屋未使用証明
「建築後、使用されたことがない」ことを証明するもの。
家屋未使用証明は表題の際は使用されない添付書類である(cf.建物譲渡証明書)。
よって、司法書士が工務店から直接もらう必要あり。
その他
- 委任状
- 住民票
- 長期優良住宅・認定低酸素住宅の通知書
- 未入居の場合の申立書
※これらは新築の場合と同じ
建売と新築の住宅用家屋証明書
相違点
- 新築の場合は登記簿上に新築年月日が表示されるが、建売の場合はそれに取得年月日が表示されない。
- 建売の場合は家屋が未使用である証明が必要である(中古住宅との区別)。
よって、建売の住宅用家屋証明書(以下、「証明書」)の添付書類は新築の場合より多く、取得手続きが煩雑である。
取得方法
前述のように建物の登記簿上は新築と建売を区別することはできない。
そこで、建売の場合でも新築のひな型で証明書を事実上取得できてしまう。
もっとも、新築の場合は建築年月日から1年経過すれば証明書を取得できないが、建売の場合は建築年月日から1年経過していても、取得から1年以内であれば証明書がとることができるので、この場合は建売のひな型で証明書を取得する実益がある。