序論
司法書士の業務とは?
司法書士業務について根拠法を知り、業務範囲の線引きを明確にしておかなければ、他士業の法令に抵触する可能性がある
- 登記
- 裁判所提出書類作成
- 成年後見
- 遺産承継
- 定款認証
この中に司法書士の独占業務はあるか
あるとすればその根拠法は?
業務の大別
業務を3つのパターンに分類
注意
- 以下記載の業務名は私が説明の便宜上名付けたものです
- 簡裁訴訟代理等関係業務の記載は割愛します
3条業務
司法書士法第3条第1項第1号から第5号に規定の業務
- 第1号 登記・供託手続きの代理
- 第2号 法務局提出書類の作成
- 第3号 登記・供託に係る審査請求の代理
- 第4号 裁判所提出書類の作成
- 第5号 1号から4号についての相談業務
附随業務
附随業務とは、本来の業務(3条業務)を遂行する前提として必要不可欠な業務
例
- 住宅用家屋証明書の取得(所有権保存登記の附随業務)
- 定款認証(会社設立登記の附随業務)
附随業務は本来業務に附随しなければ、他士業の独占業務を侵害する可能性があり
MEMO
会社設立登記の依頼なしで、定款認証を行った場合は行政書士法に抵触する可能性あり自然人ならできる業務
- 財産管理人(成年後見人、相続財産管理人等)
- 公正証書遺言の証人
- 遺産承継業務
司法書士の登録をしていなくてもできる業務
但し、この業務を行う場合でも士業の法律の規制を受ける場合がある
例えば遺産承継業務において、業務の中に以下の業務が含まれていればその専門家に依頼しなければならない
- 相続登記⇒司法書士
- 相続税の申告⇒税理士
- 遺産分割協議書作成⇒行政書士
- 相続人間で争い⇒弁護士
司法書士法人の業務
前提
- 司法書士法人は法人なので、定款の目的の範囲内でのみ業務可能
- 司法書士法人の目的の内容は司法書士法で規定
司法書士法人の目的内容は司法書士法第29条で規定
そして、司法書士法第29条に目的内容を具体的にすべて記載するのではなく、一部法務省令に委任することで、柔軟に目的内容を変更することを予定している
司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。
一 法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部
二 簡裁訴訟代理等関係業務
一 法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部
二 簡裁訴訟代理等関係業務
法第二十九条第一項第一号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。
一 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
二 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務
三 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務
四 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第三十三条の二第一項に規定する特定業務
五 法第三条第一項第一号から第五号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務
一 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
二 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務
三 司法書士又は司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の教育及び普及の業務
四 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第三十三条の二第一項に規定する特定業務
五 法第三条第一項第一号から第五号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務