遺産分割協議証明書
遺産分割協議書は相続人全員の連名の下、各々が実印を押印する。
そのため、遺産分割協議書を作成する際は相続人間で書類を持ちまわす必要がある。
そこで、登記実務においては遺産分割協議書に代えて遺産分割協議証明書を作成することが多い。
遺産分割協議証明書とは、合意した遺産分割協議の内容を相続人が証明するものである。
すなわち、遺産分割協議証明書は相続人が一人一枚の紙に記名押印するから書類を持ちまわす必要がない。
成立の真正
遺産分割協議証明書を登記原因証明情報として使用するにはこれが真正に成立したことを法務局に疎明しなければならない。
一般には遺産分割協議証明書に相続人の実印を押印し、その印鑑証明書を添付する。
ここでは実印押印及び印鑑証明書の添付に代わる遺産分割協議証明書の真正成立の疎明方法を紹介する。
私署証書の認証
遺産分割協議証明書が真正に成立したことを疎明する方法には私署証書の認証がある。
私署証書
私署証書とは私法上の法律行為又は私法上の法律行為に関連する事実を記載した文書である。
遺産分割協議証明書は私署証書に該当する。
認証
認証とは文書が真正に成立したことを公証人が証明することである。
認証の流れ
外国居住者の私署証書の認証
日本に住民登録がない相続人については印鑑証明書を取得することができない。
そのため、かかる相続人の遺産分割協議証明書が真正に成立したことの疎明のために在外公館の署名証明を利用することがある。
ところで、かかる相続人が日本に一時帰国することができる場合、公証役場で私署証書の認証を受けることで遺産分割協議証明書が真正に成立したことを疎明することができる。
また、遺産分割協議証明書にかかる私署証書の認証を受ける場合は、遺産分割協議証明書に被認証者の住所を記載する必要はない。
そして、相続登記において、「遺産分割の当事者であるが、不動産を取得しない相続人」については法務局がかかる相続人の住所を把握する必要がない。
つまり、相続登記において、「遺産分割の当事者であるが、不動産を取得しない相続人」が、遺産分割協議証明書に私署証書の認証を受ける場合、かかる相続人が署名する遺産分割協議証明書にその住所の記載は不要である。
そのため、かかる場合は遺産分割協議証明書に外国住所を記載することなく、遺産分割協議証明書を簡便に作成することができる。
司法書士実務ノート