思想・良心の自由
保障の程度
国家と私人との関係では絶対的保障
私人間では相対的保障(私人間効力)
保持強制の禁止
- 特定の思想を強制されない
- 特定の思想を理由に差別されない
表明強制の禁止
- 自分の思想を表明させることは禁止(思想の沈黙の自由)
MEMO
- 思想と無関係な事実表明の強制の拒否は保障されない
⇒事実の沈黙の自由は表現の自由として保障されるが、一定の制約あり - 事実の表明でもそれとあいまって思想を推知させる場合は保障される
謝罪広告
謝罪広告事件(最大判昭31・7・4)
- 謝罪広告の内容次第では思想・良心の自由を侵害する
- 単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するに止まる程度であれば合憲
信教の自由
内容
信仰の自由
宗教を信仰するか否か、どの宗教を信仰するかの自由
宗教的行為の自由
宗教上の祝典、儀式、行事などを行う自由
宗教的結社の自由
宗教的行為をするための団体を結成する自由
政教分離
意義
政教分離:国家の非宗教性及び国家の宗教に対する中立性
国家と宗教が結び付くと、少数派の宗教が弾圧された歴史的な経緯がある
そこで、政教分離を制度として保障することで個人や少数者の信教の自由の保障する(制度的保障説)
根拠条文
- 憲法20条1項後段
- 憲法20条3項
- 憲法89条前段
裁判での争い方
人権説
争うことができる
⇒政教分離違反そのものが人権侵害
制度的保障説
原則争うことができない
ただし、下記の場合は可能
- 国教を樹立した場合(人権侵害)
- 公権力が個人に宗教的行事の参加を強制した場合(人権侵害)
- 特別な訴訟形態(住民訴訟)
政教分離の限界
国家と宗教との関係を一切排除するのは事実上難しい
そこで、両者の関係はどの程度まで許されるのか
完全分離説
宗教性のある行為でも、一般人が宗教性を感じさせない程度に生活様式化・習慣化している行為であれば国家が関わってもよい
最高裁の目的・効果基準
国家と宗教とのかかわり合いが社会的・文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えた場合は憲法20条3項の宗教的活動に該当し、許されない(目的・効果基準)
「宗教的活動」に該当するのは、下記のいずれにも該当した場合
- 行為の目的が宗教的意義を持つ
- その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になる
この判断においては、行為を外形的側面にのみとらわれるのではなく、一般人に与える効果、影響等諸般の事情を考慮し、社会通念に従い、客観的に判断するべきである
学問の自由
内容
- 学問研究の自由
- 学問研究成果の発表の自由
- 教授の自由
大学の自治
学問の自由の保障のために大学への干渉を排除する(制度的保障説)