幸福追求権(憲法6)

性質

憲法に列挙されていない新しい人権の根拠となる包括的な権利

幸福追求権によって基礎付けられる権利は具体的権利である

MEMO
  • 社会状況の変化により憲法に規定する人権以外の人権を保護する必要が出てくる
  • 人権の固有性に基づくと、憲法の人権規定以外の人権も保障すべき

憲法13条前段:個人の尊重

憲法13条後段:幸福追求権

新しい人権として憲法上保障されるには、権利が個人の人格的生存に不可欠である必要がある(人格的利益説)

京都府学連事件(最大判昭44・12・24)
  • 何人も承諾なしに、みだりに容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する
  • 但し、その自由は公共の福祉の制限を受ける
  • 次の場合は本人の同意及び令状なしに撮影できる
  • ➀現に犯罪が行われもしくは行われたのち間がない②証拠保全の必要性・緊急性がある③撮影方法が一般的に許容される限度を超えない相当な方法
指紋押なつ制度(最判平7・12・15))
  • 何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有する
  • この自由は外国人にも及ぶ
  • 国家機関が正当な理由なく指紋の押なつを強制するのは憲法13条の趣旨に反して許されない

プライバシー権

通説

プライバシーの権利:自己に関する情報をコントロールする権利(自由権的側面+請求権的側面)

自由権的(消極的)側面:私生活をみだりに公開されない権利⇒具体的権利

請求権的(積極的)側面:プライバシーの保護を公権力に対し請求する権利⇒抽象的権利

判例要旨

前科照会事件(最判昭56・4・14)
  • 前科及び犯罪履歴は人の名誉、信用に直接かかわる事項である
  • 前科等がある者は、これをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有する
  • 犯罪の種類、軽重を問わず、前科等をすべて公開するのは違法
後援会名簿提出事件(最判平15・9・12)
  • 個人識別とう行うための単純な情報は秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない
  • しかし、これらをみだりに開示されたくないという期待は保護されるべき
  • 本人の意思に基づかずにみだりに他者へ開示することは許されない
住基ネット差止等請求事件(最判平20・3・6)
  • 憲法13条により、何人も個人情報をみだりに第三者に開示又は公開されない自由を有する
  • 住基ネットの情報は秘匿性の高い情報とは言えない
  • 住基ネットにシステム上の不備があり、情報が第三者に開示又は公開される具体的な危険性は生じていない

自己決定権

芦部説

個人の人格的生存に不可欠な私的事項を、公権力の介入なしで決定する権利

髪型の自由は、自己の個性を実現させ人格を形成する自由として、憲法上保護される

判例要旨

エホバの証人輸血拒否事件(最判平12・2・29)
  • 輸血を拒否する自由は人格権の一内容として尊重されるべき
  • 輸血する方針を説明したうえで、手術するかを患者の意思決定にゆだねるべきであった